【生かせ!知財ビジネス】対ベトナム 重要な学生支援 (Bài viết về chuyến thăm quan nhà máy điện nguyên tử được đăng trên báo Sankeibiz)


【生かせ!知財ビジネス】対ベトナム 重要な学生支援

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/100802/mca1008020501000-n2.htm

2010.8.2 05:00

日本の原発を視察した優秀なベトナムの学生たち。将来の技術移転の懸け橋になってくれるか

日本の原発を視察した優秀なベトナムの学生たち。

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在日ベトナム学生青年協会(Vysa)は7月23日、東京電力の福島第二原子力発電所を訪問。在日ベトナム人の理工系を中心とするトップクラスの留学生45人と卒業生(社会人)27人が最先端技術を視察した。

◆安全性の高さに驚き

Vysaは2001年10月、在日ベトナム人の学生や青年を支援するため日本で設立された、ベトナム政府が唯一公認する非営利の団体だ。日本各地に12支 部あり、約3000人が学術専門ゼミから各種レクリエーションまで交流、互助の活動を続けている。運営は青年たちに任され、協会運営のための協賛金も、執 行委員や有志が仲間のために自主的に日本の企業などを訪問し、集めている。

一行はサイエンスシアターで原子炉内部を体感後、大量に使われる原子炉冷却水が海に放水される様子や中央制御室のシミュレータ室などを約3時間かけて視察。日本の原発技術の高さに驚きの声をあげた。

質疑応答では「ウラン燃料のリサイクル」や「運転や冷却水などの安全性」といった技術面だけでなく、「厳格なセキュリティー体制」など運用面にも高い関心が集まった。

◆将来の技術移転へ人脈作りベトナムは、BRICsに続くVISTAに数えられる新興国。積極的に海外技術の導入を図っており、初の原発プラントを今年、ロシア国営企業に発注した。

「日本勢はこのコンペで敗れたが、ベトナム高官の多くがロシアの大学の卒業生。結果は明白だった」とはVysaの小川弘行顧問。国策レベルの技術移転にお ける長い視点での事前人脈形成の重要性を指摘する。ベトナムの将来を担うトップ学生が集うVysaの活動に対し、日本の政府や企業の理解を求める。

実際、ベトナム人は親日派だ。東京工業大大学院で情報理工学を学ぶVysaの対外部長、グエン・マン・クーン氏(26)は「和の精神を持つ日本人はベトナ ム人の精神性に近い。将来は日本の商社に入り、技術移転など人と人をつなぐ仕事で母国発展のために貢献したい」と話す。

人口8600万人 の平均年齢が26歳という“超若年化社会”のベトナムは、海外の知を吸収する意欲とともに国造りの意欲にあふれている。その意欲を理解し、いかに人脈を築 いていくかは重要。日本からの国策レベルの技術移転を成功させるのは、政府首脳によるトップセールスだけではなさそうだ。(知財情報&戦略システム 中岡 浩)